REHABILITATION

リハビリテーション

リハビリテーションへの取り組み

EFFORTS

整形外科・神経外科疾患に対して正確に診断・治療を行う事はもとより、動物が早期に運動機能回復ができるための理学療法にも力を注いでいます。また手術後に限らず、慢性関節炎等の慢性疾患の場合にも適切な理学療法を行っています。

これまで獣医療では理学療法というと関節を可動させる事のみに注目がおかれてきました。しかし、実際には関節の可動だけでなく体幹のバランスや関節周囲の筋肉量の改善など全身のバランスが良好でないと機能改善は図れません。

当院では、効果的なリハビリテーションのためのオリジナルの理学療法プログラムを構築し、実践しています。リハビリ担当獣医師と人の理学療法士の資格および動物看護師認定統一機構の資格を持った理学療法士のチームが協力して治療に当たっています。

“医療理学療法の最先端の技術や知見を取り入れよりよい獣医療へ”
私たちの掲げるこの目標に向け、手術から日常生活復帰までの一連の流れをサポートいたします。

リハビリテーションの
2つの種類

TWO TYPES

1、整形外科・神経外科疾患で手術を行った動物のリハビリ
椎間板ヘルニアに対する片側椎弓切除術や腹側造窓術、股関節脱臼やレッグ・カルベ・ペルテス病に対する大腿骨頭切除関節形成術、膝蓋骨脱臼整復術、前十字靱帯断裂に対する関節外法やTPLO法での制動術の術後に対して、早期の機能改善を目指しリハビリを実施しています。

人間と異なり4足歩行を行う犬や猫は、1足に機能障害が出ても他の3足での歩行に順応しようとするため、術後に患肢(手術を受けた足のこと)を使わず3足歩行で生活しようとすることがあります。しかし患肢を使用しないと、筋肉量の回復や潤滑な関節運動の回復が得られず、治療の効果が薄れてしまいます。

そのため、できるだけ早く本来の機能を回復し生活の質の改善を行う目的で、椎間板ヘルニアや大腿骨頭切除関節形成術の術後は、入院中から早期の積極的なリハビリを行います。 退院後のリハビリは主に飼い主様のご自宅で行うのですが、毎回リハビリの目標を設定し、理学療法チームと飼い主様と2人3脚で取り組ませていただききます。リハビリは週1回行うだけでは十分な効果は得られないので、ご自宅で継続的に行う事が非常に重要です。

私たちはリハビリを継続してもらえるよう、動物と飼い主様がなるべく楽しんで行えるようなプログラムを組んでいます。診察時には一緒にリハビリを行ないながらご自宅での取り組みの効果を確認し、適宜プログラムの変更等を行っています。 当初に立てた目標の達成をもって、リハビリの終了となります。
2、手術を行うことができない疾患に対してのリハビリ
関節の形成が先天的に異常で慢性関節炎へ移行してしまった状態や、加齢に伴い多発性に関節炎が生じたり、神経の麻痺が徐々に進行していく変性性脊髄症、変形性脊椎症で椎体変形によって神経麻痺が生じている場合などが挙げられます。

股関節形成不全などの先天性疾患は若齢時に診断されることが多いため、適切なリハビリを早期から行なうことで、その後の生活を負担の少ない快適なものに変えていくことが可能になります。多発性関節炎などの高齢犬にみとめられる疾患は、リハビリを行なうことで筋肉の緊張が改善され柔軟性が増し、疼痛の緩和や歩行状態の良化につながっていきます。

変性性脊髄症のように徐々に悪化し根治療法のない疾患に関しては、病態の変化に対応して、動物も飼い主様もできるだけ負担の少ない生活を送れるようなリハビリをご提案しています。高齢の動物にリハビリを行なうことで、患っている疾患や老化そのものと上手に付き合うことができるようになるので、生活の質の向上が期待出来ます。

実際のリハビリの様子

MOVIE

  •  リハビリの一例(動画時間:11秒)

  •  リハビリの一例(動画時間:28秒)

  •  リハビリの一例(動画時間:24秒)

  •  リハビリの一例(動画時間:25秒)

椎間板ヘルニアの
リハビリ前後の様子

BEFORE AND AFTER

  •  リハビリ前:(動画時間:10秒)
     後ろ足で立つことができず、足を引きずってしまっています。

  •  リハビリ(水中歩行/坂):(動画時間:10秒)
     足への負担が少ない水中で歩行の練習をし、筋肉量・関節運動の回復を図ります。

  •  リハビリ終盤:(動画時間:13秒)
     ほとんど通常の歩行ができる状態に回復しました。

  •  障害物越え:(動画時間:6秒)
     ジャンプをしても支障がないほどに回復しました。

ONE自由が丘どうぶつ整形外科・リハビリセンターをオープンしました

NEW OPEN

ONE自由が丘
どうぶつ整形外科・リハビリセンター

リハビリ専門の獣医師(CCRP保有)がセンター長を務める、プール付きのリハビリ特化型施設です。早期回復のサポートを行います。

東京都目黒区柿の木坂1-16-8

TEL:03-6459-5914 
センター長:岸 陽子

獣医師・理学療法士インタビュー

INTERVIEW

岸 陽子 獣医師

当院での理学療法の最大の特徴は、
獣医師がリハビリプログラムの構築をし、
それを実施することです。

動物看護師が獣医師の指示に従って行う理学療法と異なり、獣医師が直接理学療法に携わることで、治療経過に応じた適切な治療が可能となります。指示された通りに、ただ関節を動かすなどの単純なルーティンな作業ではなく、人の理学療法のエビデンスや獣医整形外科の知識を生かしたプログラムを立案し実施しています。

ONE for Animalsは整形外科の専門集団ですので、リハビリ対応の症例数が週に少なくとも30症例以上と圧倒的に多いのが特徴です。さらに、動物の理学療法では、毎日通院して理学療法を実施する事は困難であるため、治療は患者様のご自宅で行って頂くことが多くなります。そのため、動物の性格や患者さんが普段どのように動物と接しているのかなども非常に重要な要素となっています。

獣医師が直接リハビリを担当することで、理学療法の知識および獣医学的な知見を取り入れ、整形外科での治療経過を踏まえたうえで、現場での判断を加えながらプログラムを構築することができます。

豊富な症例数および、理学療法・整形外科的知識を元に、個々の症例に対応したオーダーメイドプログラムでの治療が可能となっています。

石黒 崇也 理学療法士

人間の理学療法士に携わる傍ら、
獣医療分野で活動しています。

ヒト医療では認知症の高齢者や小児と関わる際のコミュニケーション手段として非言語コミュニケーションが重要となります。動物と意思疎通を図るうえでも非言語コミュニケーションが中心となり、ヒト医療で重要なコミュニケーション手段は獣医療におけるリハビリテーションにも活かせると考えています。言語による意思疎通が不可能である点や体毛がある点、4足歩行をするという点以外は解剖学的構造などにおいて、ヒトと犬には共通していることが多くあります。また、認知症の高齢者の方と同様に家族の支えが重要である点も共通していると思います。

ヒト医療の分野で実際に提供している理学療法を犬にどのように当てはめるかを常に意識したオリジナルスタイルを追求しています。ヒトも犬も反応を細かく観察することは大切であり、特に犬の場合は真に必要とするもの以外は受け入れないため、嫌な思いをさせない、無理強いをしないことを最優先にして関わるようにしています。

リハビリ治療時には、飼い主さまの同席をお願いしています。普段の生活の様子や自宅の環境、活動量などをヒアリングしながら治療計画を立案していきます。動物の理学療法を行うにあたり、認定動物看護師の資格も取得しました。

理学療法士としてヒト医療の知識はもとより、獣医療の正しい知識を持ち、より多くの方々に正しいリハビリテーションと理学療法の概念が浸透していくよう、飼い主様ご家族と来院された動物へ適切な理学療法を提供いたします。

当院での理学療法の最大の特徴は、獣医師がリハビリプログラムを構築し実施することです。獣医師が直接理学療法に携わる事で治療効果を適切に評価し、経過に応じた治療が可能となります。人の理学療法のエビデンスや獣医整形外科の知識を生かしたプログラムを立案し実施しています。

学会・会議名 演題 発表者名(発表者は○) 抄録頁
第91回獣医麻酔外科学会 SRソフトビジョンにて測定した術後患肢負重圧の有用性に関する検討 岸 陽子、小林 聡、小寺 祥平、石黒 崇也、安川 慎二、森 淳和 獣麻外誌 46 (Suppl2), 217
平成28年度関東・東京合同地区獣医師大会・三学会 椎間板ヘルニア グレード5 に対する理学療法の有用性の検討 ○岸陽子、安川慎二、小寺祥平、石黒崇也、小林聡、森淳和

リハビリ施設紹介

FACILITY

整形外科・リハビリのプロを目指すなら ONE for Animals 採用特設サイトへ
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整形外科・神経外科を通じて、
動物たちのために尽力します。

〒275-0024
千葉県習志野市茜浜1-5-11

東関東自動車道:谷津船橋 3分
京葉道路:花輪IC 6分
外環自動車道:高谷JCT 8分
新習志野駅(京葉線)徒歩約15分

診療時間

診療
時間
整形外科 9:00~
12:00
神経科 9:00~
12:00

※午後は手術優先で診察はお受けできないことがありますが、
緊急時にはお電話ください

※当院は予約診療制です。 必ず事前にご連絡のうえ、ご来院ください。

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