STAFF BLOG

新着情報&スタッフブログ

STAFF BLOG

骨折治療の考え方_前足(橈尺骨骨折)③~タイタンロック~

2019年5月26日

皆さんこんにちは。ONE千葉どうぶつ整形外科センターです。

 

今回は、骨折の治療で使われる新しいタイプのスクリューとプレートについてお話しします。

 

その名も、「タイタンロック」!

強そうですよね。

 

これまで、1.0kg未満の動物にとっては、ちょうどよいサイズのプレートやスクリューがありませんでした。

 

そんな超小型犬たちにも使えるサイズと強度を保った画期的なインプラントが「タイタンロック」です。

 

材質は高強度なチタン。

 

さらに、プレートとスクリューの固定する方法が構造的にも優れているんです。

 

ちょっと難しい話になりますが、「ロッキング」と呼ばれる構造で、

プレートとスクリュー同士が強固にかみ合うようにできています。

 

骨にとって優しく、且つスクリューの緩みも少ないつくりなんですよ。

 

当院ではこのタイタンロックでの骨折治療が可能です。

 

もちろん、当院で使用しているタイタンロック以外の通常サイズのプレートたちも、ロッキング構造ですので、その点はご安心ください!

 

 

ケガのない生活を送れるに越したことはありませんが、万が一の骨折の場合でも、まずはご相談いただければ幸いです。

 

皆さんと動物たちとの生活が明るいものになりますように!

骨折治療の考え方_前足(橈尺骨骨折)②

2019年5月18日

皆さんこんにちは。ONE千葉どうぶつ整形外科センターです。

 

前回の続きの前足の骨折(橈尺骨骨折)に関してのお話です。

 

橈尺骨骨折に対して成功率が高い治療法は「金属のプレート(インプラント)で固定する」です!

 

これは金属でできた「プレート」と「スクリュー」を使う方法です。

 

…平たく言うと、「板」と「ネジ」ですね。

でもここはかっこよく、プレートとスクリューと呼ばせてください。

 

仕組みとしては、骨折した部分に「プレート(板)」を当てて、「スクリュー(ネジ)」でプレートと骨とを固定する、というもの。

 

インプラントで固定することにより、折れた骨同士がズレてぶつかり合うことがなくなるので、

 

「痛みが出ない」→「安心して前足を使う」→「骨に適切な力が加わる」→「治癒へ向かう」

 

という、回復に向かう良い流れが生まれるというわけ。

 

骨折は治癒までには通常2か月ほどはかかりますが、プレートとスクリューで固定することで、必要以上に長い期間包帯を巻かずに済んだり、骨にちょうど良い力をかけながら回復へ導くことができたりと、メリットがたくさんあるんですよ。

 

とはいえ、きっと気になるのは、

 

「うちの子は体が小さいけれど、インプラントのサイズは合うかしら?」

 

なんてことではないでしょうか。

 

ご心配なく!インプラントも進化しています!

 

次回は新しいタイプのプレート&スクリューについてご紹介します!楽しみにしていてくださいね!

骨折治療の考え方_前足(橈尺骨骨折)①

2019年5月11日

皆さんこんにちは!ONE千葉どうぶつ整形外科センターです。

 

本日は骨折の治療に関する情報をお伝えいたします!

 

事故がないに越したことはないのですが、どんなに気を付けていても不慮の事故が起これば、ワンちゃんたちも骨折してしまうことがあります。

 

特にトイ・プードル、パピヨン、チワワなどの小型犬種では骨の細い前足(橈骨と尺骨)が骨折してしまうことがとても多いです。

 

 

もしそんな状況になってしまったら、こんな考えが頭をよぎるのではないでしょうか?

 

「なんとかギプスか何かで自然に治ってくれないかしら…」

 

 

…結論から言うと、残念ながら人間のようにギプスだけで完治させることは難しい場合が多いです。

 

というのも、動物は動き回るからです。

 

どんなに「じっとしていてね」とお願いしようが、

どんなに普段いい子だろうが、

人間の思い通りにおとなしくしている子は、まずいませんよね。

 

骨が折れた状態で動いてしまうと、折れた部分で骨同士がぶつかるので、痛みが出ます。

痛みのせいでかばったり、骨がずれ回復に必要な刺激が骨に加わらなくなります。

そしてその結果、骨は適切に回復することができなくなってしまうのです。

 

つまり…

 

「痛い」→「かばう」→「回復に必要な刺激が骨に加わらない」→「治癒しない」

 

という悪循環が生まれてしまうのです。

 

そのほかにも、動物は体毛が多いので、長期間のギプスは蒸れたり擦れたりして皮膚を傷める原因になります。

もちろん、ギプスをなめたりかじったりしないように言いつけるだけでも大変ですよね。

 

このようにギプス治療には、完治までの自宅での管理の面でも、不利な点が実は多くあるんです。

 

では、どうするのがベストなのでしょうか。

 

それはまた次回お話しいたします!乞うご期待!

飼い主様へ 獣医師様へ