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前⼗字靭帯損傷(TPLO法による制動)

CASE 13

治療法には内科的療法と外科的療法が存在します。内科的療法は、数⽇で患肢の使⽤が良化し、かつ体重が軽く、膝蓋⾻脱⾅などの他の障害が併発していない場合に適応となります。治療方法は鎮痛剤の投与と運動療法(リハビリテーション)が中⼼です。内科的療法には一般的に6週間以上の期間を要します。ただし、前⼗字靭帯が損傷することに伴い、多くのケースでは内側半⽉板を損傷することが確認されています。この内側半⽉板が損傷してしまうことで内科的療法では期待通りの効果を得ることができず、痛みや違和感が残ってしまうケースも多く認められています。

外科的療法は、内科的療法後に跛⾏が改善しない⼩型⽝(トイ・プードルやチワワなど)の場合をはじめ、10kg以上の中〜⼤型⽝で前⼗字靭帯が損傷している症例などに適応します。また、前⼗字靭帯の損傷に加え膝蓋⾻脱⾅(パテラ)や半⽉板損傷などが前⼗字靭帯断裂に併発している場合にも適応となります。

外科的療法の⼿術は、⼈⼯靭帯を⽤いた関節外法の他、脛⾻⾼平部⾻切り術(TPLO法)、脛⾻粗⾯前進術(TTA)などがあり、その都度最適な手術方法を飼い主様にご提案をさせていただいています。

近年、前⼗字靭帯損傷に対する外科⼿術法として脛⾻⾼平部水平化⾻切り術(TPLO法)を実施することが多くあります。TPLO法は、脛⾻の関節⾯の位置を変更することで前⼗字靭帯損傷に伴って⽣じた膝関節の緩みを解消させる⽅法です。 プレートという⾦属のインプラントを使⽤する必要がありますが、従来の関節外法に⽐較して術後からの機能回復が早いことが知られています。以前は⼤型⽝用の⼤きなプレートしかありませんでしたが、最近は⼩型⽝様のプレートも揃ってきており3kgの⼩型⽝にもTPLO法が実施できるようになっています。我々はこれまでに300件以上のTPLO法による前⼗字靭帯損傷に対する治療を⾏なっております。

TPLO⼿術は⽐較的新しい⼿術であり⼿技に慣れた術者が⼿術を⾏なわないと、術後の合併症につながってしまいます。我々の研究では50症例以上の経験をもつ術者は⼿術時間が顕著に短縮し、動物の⾝体への⿇酔による負担が減ることを発表しています。

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