椎間板ヘルニアには2つのタイプがあります。
・ハンセンI型:先天的なもの
・ハンセンⅡ型:加齢によるもの
髄核がチーズや骨のように石灰化し、線維輪を突き破り、脊髄神経を圧迫してしまうことが原因です。(髄核の脱出、と表現されます)
髄核で石灰化が起こると椎間板は衝撃を吸収することができなくなり、日常生活の動きによって変性した髄核が徐々に線維輪に細かいヒビを作り出します。最終的にこのヒビが貫通した時に硬い変性した髄核が突如大きな塊として飛び出し、脊髄を圧迫します。
ハンセンI型は主に軟骨異栄養性犬種に先天的に多く見られます。ミニチュア・ダックスフンドや、トイ・プードル、ビーグル、シーズー、ペキニーズ、パピヨンやフレンチ・ブルドッグなどに、大型犬種ではラブラドール・レトリーバーやジャーマン・シェパードそしてロットワイヤーなどで椎間板ヘルニアが生じやすいとされています。
軟骨異栄養性犬種は「軟骨異栄養症」を先天的に抱えています。軟骨異栄養症とは、椎間板の中の髄核が1〜2歳から変性し始め、だんだんと硬くなってしまう症状です。なお、軟骨異栄養症は人が生み出した症状だと考えられています。ダックスフンドはドイツ原産の犬種なのですが、元々巣穴にいるアナグマを狩る目的で手足が短く改良されてきた経緯があります。つまり、人為的に作り出された軟骨異栄養症の犬種と言えるでしょう。
ハンセンI型は先天的な原因により発症するため、根本的な予防方法はありません。しかし、少しでも進行を遅らせるために、飼い主がやれることはあります。椎間板への負荷を軽減することを目的に、家の床材を見直したり(すべりにくいものであればクッション性のあるものにする)、肥満を防止したり、過度な運動を控えるといったことが挙げられます。
加齢に伴って椎間板が変性し、線維輪が膨らみ、脊髄を圧迫することが原因です。(線維輪の突出と表現されます)加齢(老化)に伴って椎間板が変性し、厚くなった線維輪が脊髄を圧迫してしまいます。このタイプは人の椎間板疾患に類似しており、軟骨異栄養症以外の犬に発生することが多いです。成犬から老犬に多く認められ、慢性的に経過する事が多いとされています。
ハンセンⅡ型は慢性進行性の病態を示すため、安静にしていたとしても症状は進行してしまいます。内科的療法(保存療法)は意味をなさないため、一般的には早期の外科的介入が推奨されます。
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