首や背中の疼痛のみの動物については、内科的療法(保存療法)による治療選択が可能です。目安はグレード2以内です。
内科的療法で重要なのは「安静状態を維持すること」です。保存療法は比較的安価で実施可能で、手術を避けることができるという利点があります。しかし、長期間保存療法を実施しても改善がない場合には、麻痺が持続する可能性がありますので、その点を理解したうえで取り組む必要があります。
なお、椎間板ヘルニアの重症度が高い場合には保存療法での完治は非常に困難とされています。内科的療法(保存療法)の欠点は、ふらつきや痛みが完全になくなる前に激しい運動をすると再発率が高く、再発した場合にはもともとの症状よりも悪化する可能性が高いことがあります。
管理方法として最も重要な点は、運動制限をすることです。メジャーな方法はケージレストです。ケージレストは運動を制限して安静を管理する方法の1つで、狭いゲージの中にワンちゃんを入れ、トイレなどに出す時以外は動きを制限した状態を保ちます。激しい運動や負担のかかる衝撃を抑えることで、椎間板物質が脊髄方向に突出することが制限され、脊髄損傷を修復する方向にすすむことが期待できます。安静の期間は脱出した椎間板が安定する4〜6週間は必要と言われています。
動物用のコルセットも開発されており、保存療法の一助となることがあります。コルセットは、締め付けるといったイメージを持つ方が多いですが、腰の安定化を図るための支える洋服といった仕様となっています。コルセットを着用していれば必ずしもうまくいくわけではありませんが、安静の難しいような性格の動物や仕事や外出などで見ていられない時の補助器具として使用することが可能です。近年は、義肢装具士として活躍されている東洋装具様(当院からご紹介も可能です)がいらっしゃったり、ワンちゃん様の車椅子を製造されているメーカーなどもありますので、選択肢は増えています。
対症療法ですが、その時の痛みを消すためにお薬を活用する方法もあります。
鍼灸やレーザーといった方法も存在しますが、西洋医学に基づいた、科学的な裏付けがある治療法ではなく、あくまで身体の状態を整えることで疼痛の緩和を図ろうとするものです。物理的な治療を施すものではないということは理解の必要があります。
Group OF ONE for Animals
東京で唯一のONE for Animalsグループです。院内にはCTを整え、千葉院と連携を取りながら治療にあたっています。
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院長:中條 哲也
リハビリ専門の獣医師(CCRP保有)がセンター長を務める、プール付きのリハビリ特化型施設です。早期回復のサポートを行います。
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横浜スタジアム傍のCTを備えたセンター。手術を日々実施しており、手術までの日数が短いのが特徴です。
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センター長:森 淳和