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膝蓋骨脱臼とは

膝関節の構造

膝蓋骨は膝関節を構成する1つの骨であり、一般的には膝のお皿として知られています。関節は骨と骨の繋ぎ目にあたる部分を指し、膝の他に肩や足首、肩や肘、あごなどいくつも存在します。骨通しは堅いもの同士になるため、直接接触してしまうとすり減ってしまうほか、ひねるなどの柔軟な動きができなくなってしまいます。そこで、骨と骨を繋ぐ筋肉である靭帯や、骨同士が接触しないようにクッションの役割を果たす軟骨が存在しています。簡単に言うと、膝関節は蝶番(ちょうつがい)のような役割であり、太ももの大腿骨とすねの脛骨(けいこつ)の間で曲げ伸ばしを可能にしています。

膝蓋骨とその役割

膝蓋骨は、太もも前面の靭帯(大腿四頭筋)と脛骨とをつなぐ腱の間にあります。正常な状態では大腿骨(太ももの骨)の滑車溝というくぼみにはまり、膝を伸ばす際に膝蓋骨は上下に動き、筋肉の収縮をうまく脛骨に伝えるための滑車の役割を果たしています。

膝蓋骨脱臼とは

膝蓋骨脱臼とは、遺伝的理由や外傷性圧力により、本来収まっているはずの大腿骨のくぼみ(滑車溝)から膝蓋骨が外れてしまう(脱臼)ことを指します。脱臼の程度により、軟骨や靭帯に傷がついてしまい、痛みを生じます。また、軟骨への損傷が深まると関節炎を起こします。一度脱臼を起こしても自然と元のくぼみに戻ることもありますが、その後膝蓋骨が外れたり戻ったりを繰り返すことがあります。

病態が進行してしまうと、筋肉が萎縮したり、骨が変形したりし、さらに痛みを増してしまいます。痛みをかばって歩く状態が続く反対側の足に負担がかかり、そちらの足も膝蓋骨脱臼を生じることがあります。膝蓋骨脱臼を生じているものの症状が出ていない、あるいは非常に軽度であることも多く、診療中にたまたま見つかることもあります。

併発する恐れのある疾病

なお、軟骨がすり減ってしまうことで軟骨の下にある神経や滑膜(関節を包んで保護する「関節包」の内側にある組織。滑液という軟骨の栄養にもなる)に炎症をきたすことで痛みを生じることがあり、その疾病を「関節炎」と呼びます。また、大腿骨と脛骨を十字に繋いでいる前十字靭帯にダメージが蓄積され、断裂してしまった場合には「前十字靭帯断裂」を生じます。

※膝は後ろ足にあります。前足にあるのは肘です。

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